英語の文法的知識を問うのではなく、英語を介して思考力をトレーニングする問題を作りたい方へ。

第1回は思考ツールSequencing<順序・手順>を意識した問題作りのコツを紹介します。

Sequencingとは、ストーリーの序盤・中盤・終盤の流れを把握したり、見聞きしたストーリーを再び相手に順序立てて説明したりする思考スキルのことを指します。

簡単な例から見てみましょう。幼児用学習教材では以下のようなパターンがあります。


Q1: 朝起きてから学校へ行くまでの様子です。正しい順になるように数字を並び替えよう。

イラストA「7時を指す時計、背伸び・あくびする男の子」(起床)

イラストB「テーブルに目玉焼きとミルク、トーストをかじる男の子」(食事)

イラストC「洗面台の前でコップを持ちながら歯を磨く男の子」(歯磨き)

イラストD「母親に手を振りながら家を去る男の子」(登校)

解答:A→B→C→D

この問題は「起床→食事→歯磨き→登校」というsequencing(順序)を意識させる問題です。大人の私たちからみたら当たり前の問題です。しかし、もし仮に子どもから「起きて、歯磨きして、ご飯食べて、登校するっていう順番ではなぜだめなの?」と聞かれたらどう答えますか。ここで「駄目なものはダメなの」とか「ふつうみんなこの順番でやってるよ」という説明では子どもは納得しませんし、説明自体も非論理的です。

このような一見簡単な問題でも、相手の成長段階や経験値に応じて、物事やストーリーの順序や手順を説明したり、その理由を説明するとなると、伝える側のハードルが上がります。当たり前なことであればあるほど、私たちは常識や習慣で物事を捉えがちです。そのため、それらの理由や根拠を意識しなくなります。ここを常に意識して訓練していくことが、思考力を鍛える第一歩となります。

もし、sequencingのテーマが、幼児学習教材のレベルではなく、医療の手術の順序や、車のエンジンの組み立て手順というレベルだったらどうでしょうか。人の命に係わる作業です。一つでも間違えれば人の命を奪いかねません。教える側も教わる側もきちんとした順序や手順を意識しなければなりません。以上のことから、思考スキルの1つであるsequencingを幼児期から大人になるまで体系的にトレーニングしていくことはとても大切なことなのです。

さて、sequencingを意識した英語の問題を作る上で、どのようなトピック選びができるのか、考えてみましょう。よくあるパターンは、「折り紙の折り方」や「料理の作り方」など、手順が決まっているものを題材にするのも手ですし、「シンデレラ」や「アナ雪」の800~1200ワードレベルの洋書などを活用するのも手でしょう。

それでは実際に、一つ問題を作ってみましょう。googleやyahoo!で”how to cook cup noodles”で検索してみてください。英語でカップヌードルの作り方がたくさん出てきます。生徒のレベルに応じて、最適なサイトを見つけましょう。今回はWiki-Howのページを参考にしてみます。5つのステップでカップラーメンの作り方が示されています。

How to Make Instant Noodles

1.Boil some water.

2.Prepare your ramen.

3.Pour in boiling water.

4.Let it sit and cook.

5.Stir and enjoy.

次にこの素材を使って、どのような問題にするかを考えてみましょう。


初級編パターン① 完成する料理を考えさせる

Q: 次の料理の手順を読み、何の料理の作り方かを英語で(日本語で)答えなさい。

How to make ___________________________

1.Boil some water.

2.Prepare your ramen.

3.Pour in boiling water.

4.Let it sit and cook.

5.Stir and enjoy.


初級編パターン② 正しい手順を考えさせる。

Q:次の英文はカップラーメンの作り方を示したものです。正しい順番になるようにア~ウの記号を並び替えなさい。

Boil some water.

ア.Let it sit and cook.

イ.Pour in boiling water.

ウ.Prepare your ramen.

Stir and enjoy.

 


初級編パターン③ 不要な手順を選ばせる。

Q:次の英はカップラーメンの作り方を示したものです。1~6の中で、不要な指示を1つ選び番号で答えなさい。

1.Boil some water.

2.Prepare your ramen.

3.Pour in boiling water.

4.Cut it into half.

5.Let it sit and cook.

6.Stir and enjoy.


初級編パターン④ 足りない手順を選ばせる。

Q:次の英はカップラーメンの作り方を示したものです。下線部3に入るものを下から選び、記号で答えなさい。

1.Boil some water.

2.Prepare your ramen.

3.__________

4.Let it sit and cook.

5.Stir and enjoy.

選択肢 ア Pour in boiling water. イ Rinse the noodles    ウ Add the instant noodles


初級編パターン⑤ 足りない手順を選ばせる。

Q:次の英はカップラーメンの作り方を示したものです。下線部3に入るものを下から選び、記号で答えなさい。

1.Boil some water.

2.Prepare your ramen.

3.__________

4.Let it sit and cook.

5.Stir and enjoy.

選択肢 ア Pour in boiling water. イ Rinse the noodles    ウ Add the instant noodles


中級編

Q:次の英はカップラーメンの作り方を示したものです。A~Dの段落を正しい順序に並び替えなさい。

Add two or three cups (.5-.7 liters) of water to a kettle or saucepan. Place the kettle or saucepan over your stove on medium-high heat. Let the water heat for five to ten minutes until the water comes to an active boil.

A:Once the water has been added, press the lid back into place. Usually, the ramen should sit undisturbed for three minutes.[3] However, some brands of instant noodles require a longer or shorter cooking time. Check the back of the package for these cooking times.

B:After the three minutes are up, peel off the lid of the noodle cup. Use chopsticks or a fork to stir the noodles and break them apart. If the noodles are steaming, let the cup sit open for a minute or two. This will help the noodles cool down enough to be eaten.

C:Once the water has boiled and your ramen cup has been prepared, pour the water into the cup. Add enough water to reach the “fill” line on the inside of the cup.

D:First, pull the lid of the ramen cup back halfway. Remove any seasoning packets. Next, open the packet and add the seasoning to the ramen. If you’re worried about lumps in the seasoning, shake the cup from side to side to help spread the seasoning around.


 

このほかにも様々なバリエーションが考えられます。ぜひ皆さんも一度、sequencingを意識した問題を作ってみてください。

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